苦いチョコレート

東方神起ミンホ。闇小説(ホラー&暴力系)多し。

終 魔身39




石になってしまった魔女の頭部は、

粉々に砕かれ砂にされた。



砕かれた砂は8つに分けられ、


国内の主要な教会に納められ管理された。


砂は各教会の主司教に託された。


各主司教は砂の入った器を、

教会の敷地内に隠し、


その場所は生涯誰にも語らぬことを宣誓した。



こうして‥‥


黒い魔女の脅威は去った。



地にはびこっていた不気味な植物は一晩で枯れ果て、


国内に蔓延していた疫病は、

瞬く間に収束した。



ただ、ユノの姿を見たことによって石になってしまった城下の人々は、


石になってからおよそ3日後には、

砕けて砂になってしまっていたため、


魔女の頭部が消滅しても、

元に戻ることはなかった。



それはユノも同じことで‥‥


魔女は、魔女自身が死んでもユノにかけられた呪いは、

生涯残ると言っていた。


ユノが死んで遺体になっても、

その遺体を見た者は石になる。


そういう呪いだった。


だから、

ユノは自身にかけられた魔女の呪いが解けたかどうか、


確認しようとはしなかった。


例え、呪いが解けていたとしても、


石になって砕けた人々は戻らない。


チャンミンの目も治らない。




二人は生涯、


二人きりで、森の中で動物達と共に暮らすことを選んだ。




長い年月、


二人は愛し合い、

森の家で幸せに過ごした。




やがて、二人にも寿命がきた。



チャンミンはユノと生前約束したとおり、


ユノを看とり、


ユノの遺体を誰の目にも触れさせないように、


地中深く埋めて埋葬した。



ほどなくして、

チャンミンにも寿命が訪れ、


ユノの墓の上で、

まるでユノを抱きしめるかのように亡くなった。




森の動物達は、

息絶えたチャンミンの回りに集まり、


チャンミンの遺体に土や枯れ葉をかけ、


チャンミンを埋葬した。



そして、


動物達は森の家を去り、


それぞれの居場所に帰っていった。




今でも、

森の奥深くのどこかに、


二人が暮らした家があるという。



しかし、その正確な場所は、

誰も知らない。