THANK U 10
「ミノ!!
大丈夫か!?
ミノ!!」
「ユノ……さ……ん……
うっ………」
俺は起き上がろうとして、
肩の痛みに断念し、
床に仰臥した。
「動くな。
肩を撃たれてる。」
撃たれ……て……?
周りは真っ暗だ。
電気がついていない。
ユノさんが俺の肩にタオルを押し当ててくれた。
「っ………」
「じっとしていろ。」
ユノさんはそう言うと立ち上がり、俺の視界から消えた。
店の奥からガタガタと音がした。
「ユノ……さん………?」
立ち上がってユノさんの後を追いかけたいのに、
俺は動けなかった。
肩がズキズキと痛み、
身体中がドクドクと脈打っているみたいだった。
眠い………
目を閉じたい。
遠くでパトカーのサイレンの音が聞こえる。
「ミノ………」
意識が遠退きそうになった時………
ユノさんが俺を呼ぶ声が聞こえた。
「ミノ……
ごめん。
俺はもう行かなきゃ……
巻き込んですまなかった。
本当に……ごめんな……」
ユノさんが俺の頬を撫でてくれるのを感じた。
「ミノ……
いままで……ありがとな……
さよなら……」
ユノさんの悲しげな声が聞こえ………
俺は意識を失った。