魔身17
森での生活が、落ち着いてくると、 ユノは、だんだんとチャンミン王のことが気になってしかたなくなってきた。 ユノが帰還したことは、 民の噂で、チャンミン王の耳にも入っているだろう。 そして、 ユノを見た人々が石になってしまったことも、聞いただろう。 チャンミン王は、石になってしまった民を見て、 なん... 続きをみる
魔身16
ユノは穴を掘るのをやめた。 動物達の暖かさに癒され、 当面、 自害するのはやめようと、 思いとどまった。 幸いここは森の奥深くだ。 こんな森の奥まで、 人が来る気配はないし、 魔女が住んでいたのとも反対側で、かなり距離がある。 ユノは、改めて小屋の中を見回した。 以前は誰が住んでいたのだろうか。 ... 続きをみる
魔身15
小屋の中に、 朝陽が差し込んできた。 また、朝が来た。 ユノの胸元には、 真っ白な兎と、 オレンジ色の兎が丸まっていた。 「暖かい‥‥」 ユノは、兎の毛玉に頬ずりをした。 「起きなきゃ‥‥」 起きて、穴の続きを掘らなくては‥‥ そして、 誰かにこの身を見られる前に、 早く自害しなくては‥‥ ユノは... 続きをみる