THANK U 17
side Y
幼い頃……親の借金のカタにヤクザに売られた。
顔立ちが綺麗だからと、直ぐ様幼児を好む変態の巣窟に沈められた。
何人もの仲間がプレイの最中に亡くなり消えていった。
あこで生き延びれたのは奇跡だった。
年を重ね十代後半になると、金持ち相手の娼館に移動させられた。
そこでヤクザの幹部に気に入られ、
今の組に入った。
俺は組長に気に入られ、すぐさま男妾にされた。
しかしそれから、血の滲むような努力を重ね、
若頭にまで登り詰めた。
俺が若頭になったころ、
組長の一人娘が結婚した。
相手は大学で知り合った男だった。
男は女の子が好みそうな、お伽噺の王子様のような風貌をしていた。
茶色い大きな目が印象的な
美しい男だった。
ヤクザの世界など似つかわしくないような、全うな世界の人間だった。
大方……この男も借金のカタか何かに、組長の娘婿として買われてきたんだろう。
結婚式が行われた教会で、青い顔をして今にも倒れそうな男を見て、俺はそう思った。
組長の娘は一人娘だ。
正式に結婚したからには、この王子様のような男も組と無縁ではいられない。
俺はこの男の教育係に任命された。
男の名前はチャンミンといった。