狂気と愛の境目19
「犯人が捕まったそうです。」 ある朝、朝食を食べなから、 いきなりチャンミンに、そう言われた。 「え? ほんとか?」 「はい。」 「全員? 4人全部?」 「はい、そう聞いています。」 「そっか……」 ユノは、安堵のため息をついた。 悔しい…… 相手にも、同じ苦しみを味合わせてやりたい…… そういう... 続きをみる
狂気と愛の境目18
事件後すぐ、 ユノは、病院で内密に検査を受けた。 性病等の感染の確認も含めた検査だった。 検査の結果が出るまで、 ユノは、なるべくチャンミンに、近寄らないようにした。 だが、チャンミンは、 ユノの尻の傷に薬を塗るのは、自分の役目だと、 ガンとして、譲らなかったし、 ユノが、 結果が出るまで、ダメだ... 続きをみる
狂気と愛の境目17
ユノは、刑事の質問に、 答えた。 「襲われた場所は、〇〇地区ですね。」 「はい。」 「〇〇地区の、どの辺ですか?」 刑事はタブレットを操作し、 詳しい地図を出した。 「この辺です。」 ユノは、指で地図を指し示した。 「チョンさん、お一人だったのですか? 歩いていた?」 「はい。」 ユノは、頷いた。... 続きをみる
狂気と愛の境目16
事件から何日か経ったある日…… 家にいたユノのもとに、 チャンミンが、ある男を連れてきた。 男は、ユノに、 名刺を渡した。 名刺には、 『ソウル警察 犯罪一課 イ・スヒョク』 と、明記してあった。 「刑事さん……ですか?」 「はい。 チョンさんの暴行事件を 、 担当することに、 なりました。 よろ... 続きをみる
狂気と愛の境目15
顔の傷や腫れが引くまで、 さすがに仕事はできなかったし、 人前にも出れなかった。 マスクや化粧で隠せる程度にならないと、 ファンに写真を撮られ、 あっという間に拡散され、 あらぬ噂が流れる。 ユノは、 身体の傷が癒えるまで、 大人しく家の中で、 過ごした。 チャンミンは、 そんなユノに、 片時も離... 続きをみる
狂気と愛の境目14
しばらくして、 ユノが再び寝入ると、 チャンミンは、 マネージャーに電話した。 ことの次第を話すと、 マネージャーは、ユノの家に飛んできた。 人の気配にユノが起きると、 マネージャーは、 ユノの傷だらけの姿を見て絶句した。 「マネヒョン…… ごめん…… 俺……」 ユノが、謝ると、 マネージャーは、... 続きをみる
狂気と愛の境目13
「俺……写真を撮られた。」 「え?」 「男達に…… 最後に…… 携帯で、撮られたと思う。」 「…………」 「警察に、訴えたりしたら、 写真をネットに流すって……言われた。」 ユノの目から、 大粒の涙が、 ポロポロとこぼれた。 チャンミンは、 ユノをそっと抱きしめた。 「どうしよう……」 「ユノ……... 続きをみる
狂気と愛の境目12
ユノは、夢を見ていた。 人型をした何体もの黒い影が、蠢いている。 やがて、黒い影は、 次々と、 ユノに覆い被さってきた。 仰向けにされ、 足を思い切り広げられた。 嫌だ! 嫌だ! 嫌だ! 抵抗したいのに、 身体が動かない。 誰かが、 何かが、 尻の中に入ってきた。 嫌だ! 嫌だ! 嫌だ! 助けて!... 続きをみる
狂気と愛の境目11
チャンミンは、 毛布にくるまり、丸まってしまったユノの足元に座り、 暫くの間、ユノの足を撫でていた。 そのうち、 毛布の中から、 規則正しい寝息が聞こえてきた。 どうやら、 眠ったらしい。 チャンミンは、ため息をついて、 立ち上がった。 どうしようか…… いくら、拉致され、レイプされたからと言って... 続きをみる
狂気と愛の境目10
チャンミンは、 ユノの全身、 特に、後ろを念入りに、 シャワーで流してやった。 バスルームを出ると、 今度は、 柔らかいバスタオルで、 全身をふいてやり、 部屋着を着せ、 髪を乾かした。 ユノは、その間ずっと大人しくしていて、 チャンミンにされるがままだった。 居間に行き、 チャンミンは、ビールを... 続きをみる
狂気と愛の境目9
それからチャンミンは、 ユノが泣き止むまで、 ずっと抱きしめ、 背中を撫でていた。 ユノが落ち着くと、 バスルームに連れていき、 ユノが着ていた服を、 優しく脱がせた。 チャンミンの手が、 ズボンにかかったとき、 ユノは、少し抵抗したが、 「大丈夫だから……」 と、チャンミンはユノの手を握った。 ... 続きをみる
狂気と愛の境目8
「チャン……ミン……」 「ユノ! どこ行ってたんだ!? 電話も繋がらないし、 カトクも……」 チャンミンは、怒鳴りなごか、ドカドカと玄関まで来たが、 ユノの尋常ではない姿に気づき、 顔色を変えた。 「ユノ! どうしたんだ!?」 チャンミンは、 ユノに駆け寄ると、 二の腕を掴み、 ユノの顔を覗きこん... 続きをみる
狂気と愛の境目7
少し……気を失っていたのかもしれない。 気がつくと、回りにはもう誰もいなかった。 ユノは全裸で、一人で床の上に放置されていた。 「うっ……」 身体を起こすと、 後ろに激痛が走り、 男達が放ったものが、 ドロドロと溢れてきた。 「くっ…うっ……うっ……」 ユノは、声を殺して泣いた。 誰もいないのだか... 続きをみる
狂気と愛の境目6
それからの行為は、 暴力以外の何ものでもなかった。 ユノがどんなに、泣きわめき、 哀願しようと、 男達は、行為を止めようとはしなかった。 4人の男達が、代わる代わるユノ上にのし掛かった。 何回、挿入されたか、 解らない。 痛みと、ショックで意識が、 朦朧としてきた。 「おい! そろそろ戻らないとヤ... 続きをみる
狂気と愛の境目5
男は、ユノの尻の肉を、 両手で割り開き、 ユノの蕾に、自分のモノの先端を押し付けた。 「嫌だ! 止めっ……!!」 ユノは、尻に力を入れ抵抗した。 男は、チッと舌打ちした。 「おい! この前の金髪女の時に使ったローション、どこだ?」 別の男がユノを抑えながら、 あそこ……と、部屋の済みの方を、 顎で... 続きをみる
狂気と愛の境目4
ユノは、服を剥ぎ取られ、 全裸にされた。 地下室の薄暗闇でも、 乳白色に輝く柔肌に、 男達は、舌舐めずりした。 「すげぇ。 真っ白。 綺麗な肌だな~」 「さっすが芸能人。 毎日、お手入れしてんじゃね?」 「同じ隊のヤツが、 感心してたよ。 東方神起のu-knowは、 ほんとにエロい身体してるって…... 続きをみる
狂気と愛の境目3
殴られた頭の痛みは、 相変わらず酷かったが、 少しだけ思考が戻り、 ユノは自分が置かれている状況が飲み込めてきた。 薄暗い地下室。 薄汚いマットレス。 ユノを見下ろし、 ニヤニヤしている4人の屈強な男達。 ヤバい…… 女ではないが、 ユノは自分が置かれている状況が、 そうとうヤバい状況なのだと理解... 続きをみる
狂気と愛の境目2
「ほら!降りろよ!」 人通りの無い倉庫街のような所で、 車から引きずり下ろされた。 抵抗しようとすると、 足の脛やふくらはぎを、 思いっきり蹴られた。 折れたら踊れなくなる。 また、すぐに、 日本でのアリーナツアーがある。 足を折られたらやばい。 そんな考えが頭をよぎり、 ユノの抵抗を、 鈍らせた... 続きをみる
狂気と愛の境目1
日産が終わり、気が抜けていたのかもしれない。 いつもの友達と飲んだ帰り、 たまたま、タクシーが掴まらなかった。 酔って火照った身体に夜風が気持ちよかったので、 つい歩いて帰ってしまった。 どのくらい、フラフラ歩いただろうか。 いきなり、後ろから頭を殴られた。 「ぎゃ!!」 ユノは膝をつき、 その場... 続きをみる