魔身33
兵士達は傷ついた新王を馬に乗せ、 恐る恐る慎重に箱を持ち、 急ぎ城に帰った。 新王達の一行が城に到着すると、 すぐさま呪術師や賢者が集められたが、 もはや主だった者達は、 すでに病に倒れ他界しており、 残った者達では、箱を開けることすら叶わなかった。 城に帰った新王は、 切断した右腕の治療もそこそ... 続きをみる
魔身32
国中に蔓延した疫病と害草の問題を解決するべく、 新王は奔走した。 国の内外から賢者や医師を集め、 治療や除草に取り組んだが、 事態はいっこうに改善されなかった。 民は飢え、 病に倒れ、 次々と死んでいった。 呪いの元を断ちたくとも、 呪いの元凶である黒い魔女は、 前王であるチャンミン王の手で、 す... 続きをみる
魔身31
森の動物達に助けられ、 森の自然の恵みに助けれ、 または、 こっそりと差し入れに来た城の人々の好意に助けられ、 二人は森の古い家で、 二人だけの蜜月を過ごした。 「ん‥‥あ‥‥」 ユノは優しい愛撫に声をあげた。 二人は陽が沈むと、 1日の労働を癒しあい、 愛し合った。 チャンミン王の‥‥元王の愛撫... 続きをみる
魔身30
ユノはすぐには、 現状を受け入れることはできなかった。 しかし、 見えない目で、 火を起こそうとしたり、 湯を沸かそとしたりするチャンミン王を見て、 いてもたってもいられなくなった。 動物達は、すんなりチャンミン王を受け入れたようで、 チャンミン王が水を汲んだり、 薪を持ってきたりするのを手伝って... 続きをみる
魔身29
「ユノ。 私には、もはや‥‥お前の姿は見えない。 だから‥‥大丈夫だ。」 「え?」 ユノはチャンミン王の言葉に驚いた。 「ユノ? どこだ? すまない。 私には‥‥お前がどこにいるか解らないんだ。」 解らない? ユノはベットの影から、 そろそろと目の当たりまで顔を出し、 チャンミン王の方を伺った。 ... 続きをみる