苦いチョコレート

東方神起ミンホ。闇小説(ホラー&暴力系)多し。

2021年12月のブログ記事

  • THANK U 10

    「ミノ!! 大丈夫か!? ミノ!!」 「ユノ……さ……ん…… うっ………」 俺は起き上がろうとして、 肩の痛みに断念し、 床に仰臥した。 「動くな。 肩を撃たれてる。」 撃たれ……て……? 周りは真っ暗だ。 電気がついていない。 ユノさんが俺の肩にタオルを押し当ててくれた。 「っ………」 「じっと... 続きをみる

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  • THANK U 9

    次の日も俺は大残業だった。 コロナ禍でうちの課もほんとにやることが多い。 ヘトヘトになりながら帰宅の途につき、 ユノさんのカフェの前に着いた時には、 もう22時45分を過ぎていた。 カフェは23時までだ。 もう、ダメかな……… こんな閉店間際に行ったら迷惑かな……… ああ……でも……… 疲れている... 続きをみる

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  • THANK U 8

    「すみませ~ん。 お待たせしました~」 すぐにユノさんは出てきた。 服装はキチンとしていたが、 髪はまだ濡れていて、肩にタオルをかけている。 待っていたお客さんは常連さんだったので、 何度も謝るユノさんに、 「いいよ、いいよ」と笑ってる。 「こんな時間にどうしてシャワーなんか浴びてたんですか?」 ... 続きをみる

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  • THANK U 7

    俺は好奇心に負け、 ユノさんのプライベートな部屋の扉を開いた。 「ユノさん?」 電気は点いていた。 部屋の中は広いワンフロアーだった。 パッと見……… 家具の無い部屋だった。 手前に小さなキッチンがあり、 奥にベッドがある。 ベッドといっても、 マットレスと毛布が置いてあるだけだ。 壁際にハンガー... 続きをみる

  • THANK U 6

    次の日、 俺は残業で、 何時もより少し遅れてカフェに着いた。 21時を少し過ぎた頃だった。 「こんばんは~」 店のドアを開けても、いつものユノさんの『いらっしゃい。』の声がなかった。 店の中には誰もいなかった。 電気は全部点いている。 店の扉の鍵も開いていた。 トイレに行ってるのかな…… 待ってれ... 続きをみる

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  • THANK U 5

    「あ、ミノいらっしゃ~い。 おかえり~」 カフェに入るとユノさんの綺麗な笑顔が迎えてくれた。 それだけで癒される。 俺専用のスツールに座ると、 ユノさんがオーダーを聞いてくれる。 「いつものでいい?」 「はい、お願いします。」 この“いつもの”ってのが大事だ。 いかにも常連って感じで、ちょっと優越... 続きをみる

  • THANK U 4

    俺は仕事の帰りに毎日ユノさんのカフェに通うようになった。 小さなカフェなので、 平日でも、 客席は女の子で埋まっているのことが多い。 俺は邪魔にならないようにカウンターのスツールに座った。 カウンターには、本来スツールは無かったのだが、 俺が行った時、 たまたま満席で座るところがなかった時があり、... 続きをみる

  • THANK U 3

    その夜は、他に客もいなかったので、 俺は店員さんとずっと話をしながら、 台風が過ぎ去るのを待った。 話しながらお互いに簡単な自己紹介した。 「チェ・ミノです。 市役所に勤めています。 この裏のアパートに住んでいるんです。」 俺は店員さんに名刺を差し出した。 「高齢者福祉課ですか~ 大変でしょ~」 ... 続きをみる

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