魔身28
「ユノ‥‥」 チャンミン王は、 愛しい人の声がした方に向かって、 一歩踏み出そうとした。 「だ、だめです!! チャンミン様!!」 ユノの悲鳴のような声が聞こえた。 バタバタと走る足音と、 ドアを勢いよくバタンと閉める音がした。 だが、チャンミン王には、 ドアがどこにあり、 愛しい人が、どこに逃げ込... 続きをみる
魔身27
ブランは、背中にチャンミン王を乗せて、 森の中をゆっくりと歩いた。 森の中は薄暗かったが、 やがて太陽の陽が降り注ぐ、 明るい場所に出た。 チャンミン王は、自ら傷つけた傷により、 物を識別する視力は奪われたが、 光を感じることは出来た。 明るい場所に出ると、 視界も明るくなった。 それはまるで、 ... 続きをみる
魔身26
「チャンミン様!!」 最初に、気がついたのは、 チャンミン王の部屋に、 朝の風を通そうと入室してきた女官で‥‥ 彼女の悲鳴が城中に響き渡った。 すぐさま医者が呼ばれ、 チャンミン王の手当てをしたが‥‥ チャンミン王の美しいブラウンの瞳は、 無惨に切り裂かれ、 嘆き悲しむ人々の姿を映すことは出来なか... 続きをみる
魔身25
チャンミン王は、 魔女の亡骸の処理を賢者達に命じた。 賢者達は魔女の遺体を、 頭部、 右腕、左腕、 右足、左足、 上半身、下半身と、 7つに分断し、 それぞれが灰になるまで火にくべた。 丸々7日間、 火で燃やし続け、 ようやく骨まで灰になったが、 頭部だけは、 どうしても燃え尽きなかった。 それど... 続きをみる
魔身24
兵士らと、チャンミン王は、 魔女を捕らえるため、 魔女を拘束しようとした。 しかし、 魔女は、呪いの言葉と、 眼力の魔力を使い、 チャンミン王らを攻撃してきた。 チャンミン王達は、 魔除けの盾を使い、魔女の魔力をはね除けたが、 途中、兵士の一人が魔女の呪いを避けきれず、 絶命した。 残りの兵士二人... 続きをみる
魔身23
「そなたに‥‥ 頼みたいことがあって来た。」 チャンミン王の言葉に、 魔女は、「おや‥‥」と、 片眉を上げた。 「高貴なお方が、 私などに何の頼み事でしょうか?」 「ユノの呪いを解いて欲しい。 さすれば、そなたの望みを何なりと叶えよう。」 魔女は、チャンミン王の言葉に、 キャハハハハと金切り声をあ... 続きをみる
魔身22
王は、魔道師や占い師達に、 魔女の居場所を特定するよう命じた。 魔道師達も占い師達も、 持てる力の総力をあげ、 魔女の居場所をピンポイントで、 探そうとしたが、 全てを事前に察知した魔女が、 妨害を図ったため、 詳しい場所は解らなかった。 特定できたのは、方角だけだった。 それは、ユノがいる場所と... 続きをみる