苦いチョコレート

東方神起ミンホ。闇小説(ホラー&暴力系)多し。

魔身16

ユノは穴を掘るのをやめた。


動物達の暖かさに癒され、


当面、

自害するのはやめようと、

思いとどまった。



幸いここは森の奥深くだ。


こんな森の奥まで、

人が来る気配はないし、


魔女が住んでいたのとも反対側で、かなり距離がある。



ユノは、改めて小屋の中を見回した。



以前は誰が住んでいたのだろうか。



クローゼットの中には、

男物の服が入っていた。


靴もいくつかあった。


古いものだし、

ユノには少し大きかったが、


着れないことはなさそうだ。


ここに住んでいたのは、

かなり大柄な男だったようだ。



ユノは服をいくつか選び、

泉に持っていくと、

綺麗に洗濯した。



ベッドの布団も、

日当たりのいい場所の木に引っかけて干した。



1日太陽に当てて干した布団は

夕方にはふかふかになった。



洗濯した服も、

陽が沈むころには乾いた。


洗いたての清潔な服を着て、

ふかふかな布団で、


動物達に囲まれて、

ぐっすりと眠った。



食べ物にも、

困らなかった。



果物や木の実、それにキノコや野草などが自生している場所を動物達が教えてくれた。



泉にはたくさんの魚が溢れ、


木の枝とツルで作った釣竿で、

簡単に釣れた。



小屋には、暖炉があったので、

煮炊きにも困らなかった。



全くの一人きりで、

1日中過ごさねばならなかったが、


森の動物達が、

入れ替わり立ち替わり、

ユノのもとを訪れてくれたので、

寂しくはなかった。



夜は、兎達が一緒に寝てくれ、

ユノのベッドを温めてくれた。




続く