苦いチョコレート

東方神起ミンホ。闇小説(ホラー&暴力系)多し。

白磁26

ユノは、灯りにつられるように、

フラフラと窯の方に向かった。


身体が重い‥‥


足もガクガクする。


ほんとは、横になっていたい。


だが、ユノは窯に向かって歩いた。


あそこにチャンミンがいる?


チャンミン‥‥



窯の灯りが、


チャンミンが、


ユノを呼んでいる気がした。



チャンミンに‥‥会いたい。


会って‥‥確かめたい。


チャンミンは、変わってしまった?


ユノに、なにかした?


なぜ?


どうして?




「チャンミン‥‥」



「ユノ!?

目が覚めたのか!?」



「うん。

チャンミン。

何してんだ?

もう、火入れは、終わったんだろ?」



「ああ‥‥はい。」



と、チャンミンは、微笑んだ。



「今回の陶器が上手くいったので、

また、次を用意しようと思って‥‥」



「つぎ?」



「はい。

ユノ‥‥辛そうだ。

ここに座って‥‥」



チャンミンは、ユノに手を差し出した。


チャンミンは、窯の前のベンチに座っていた。



ユノは、チャンミンの隣に座った。


身体がしんどかったので、

ありがたかった。



「身体が辛い?

大丈夫?」



チャンミンはユノを抱きよせ、

ユノのこめかみに口づけた。



「大丈夫‥‥」



「すみませんでした。

ユノがあまりに素敵だったので、

つい夢中になってしまって‥‥」



「‥‥チャンミン‥‥

俺に‥なんかした?」



「え?」



「俺、途中から‥‥

変だった‥‥

あんなに、何回も‥‥

おかしい‥‥」



チャンミンは、「え?」と驚き、

それから「う~ん‥‥」と、考えた。



「ゴムのせいでしょうか‥‥」



「ゴム?」



「はい。

今回使ったヤツは、

友人が新婚旅行の土産にって、くれたものなんです。

外国製の特別なものだって‥‥

恋人と使えって言われました。

ひょっとして、アレに、

なんか変な薬でも、しこんであったんですかね?」



「そ‥‥なんだ‥‥」



「後で確認してみますね。

そんなにすごかった?」



「うん。

途中から、あまり‥‥記憶がない。」



「僕は、覚えてますよ。」



チャンミンは、

チュッとユノに口づけた。



「快感に朦朧としたあなたは、

最高にエロかった。

でも、すみませんでした。」



チャンミンは、ユノを優しく抱きしめた。



良かった。

いつもの優しいチャンミンだ。



ユノは、チャンミンの腕の中で力を抜いた。



二人の前で、窯がゴウゴウと燃えている。


熱い‥‥



「何を焼いているんだ?

新しい陶器?」




「いいえ‥‥」



と、チャンミンは、笑った。




「新しい骨です。」




「え?

骨?」




「はい。

大きな‥‥良い状態の骨が手に入ったので、

みんなが来る前に‥‥

朝までに、焼いてしまわないと‥‥」



「大きな骨?」



ユノは、ゾッとして窯の方を見た。




窯には火が燃え盛っていて、

何が入っているかなんて、

見えない。



熱い‥‥



あそこで、

何か‥‥生き物が燃えている。



気持ちが悪く‥‥なってきた。



「熱い、帰るよ」



ユノは屋敷に帰ろうと、

立ち上がろうとしたが、ふらついた。



「あ‥‥」 



「おっと‥‥」



ふらついたユノを、

チャンミンが支えた。



二人の足元でチャリンと、音がした。



何かを踏んだ。



「?‥‥」



ユノは自分の足元を見た。