苦いチョコレート

東方神起ミンホ。闇小説(ホラー&暴力系)多し。

魔身31



森の動物達に助けられ、

森の自然の恵みに助けれ、


または、


こっそりと差し入れに来た城の人々の好意に助けられ、


二人は森の古い家で、

二人だけの蜜月を過ごした。






「ん‥‥あ‥‥」



ユノは優しい愛撫に声をあげた。


二人は陽が沈むと、

1日の労働を癒しあい、

愛し合った。


チャンミン王の‥‥元王の愛撫は、

まるで見えているのではないかと思うくらい細やで愛情に溢れていた。



「どのくらい‥‥見えているのですか?」




愛撫を受けながら、

ユノはチャンミンに聞いてみた。




「目を開ければ光は解る。

そなたが動くと、

光が揺らぎ、風が動くので、居場所が解る。」




光が認識できる程度か‥‥



ユノはチャンミンの頬を撫でた。



美しいブラウンの瞳だったのに‥‥



明るいブラウンの瞳は、

ユノの姿を見つけると、

愛に満ちた優しい眼差しを放った。



光が当たると虹彩が輝き、

瞳の中に花が咲いたようだった。



ユノはその美しい花が大好きだった。



今は‥‥ちょうど虹彩の真ん中に横一直線に傷が入り、

傷の回りは白く白濁してしまっている。



チャンミンは、頬に当てられたユノの両手を、


両手で握ると、

ユノの指先に口づけた。



「そなたの姿は見えなくとも、

気配は感じる。

手を伸ばせば、

こうして触れて、抱きしめることもできる。」




「チャンミン様‥‥」



チャンミンは、愛撫を再開した。




「そなたの柔らかな肌を撫でることができる。

そなたの熱い唇を吸うこともできる。」



チャンミンは、ユノの胎内に分け入った。



「ああ‥‥」



ユノは衝撃に吐息を吐いた。




「そなたのかわいい声を聞くこともできるな。」



チャンミンは笑った。




「そなたの暖かさを感じ、

そなたの匂いを感じることができる。」




チャンミンはユノに口づけた。




「私は今‥‥とても幸せだ。」



「チャンミン様‥‥

私も、私も‥‥幸せです。」




二人はかたく抱き合った。





だが、

二人が幸せを噛み締めている時‥‥


国内では大変なことが起こっていた。



北の領土から、

未知の疫病が急激に広がり、

人々が次々と命を落としていた。



大地には黴のような黒い苔が生え、


田畑の作物をことごとく枯らしていった。



国の植物学者が総力をあげ、

苔の正体を調べたが、

発生源は、北の湖だった。


北の湖は、

真っ黒な藻で埋め尽くされていた。


この藻が地面にまで派生し、

苔となり大地を覆いつくしていた。



そして、この苔から発生する胞子が、


人々を病に陥れていた。



城の重鎮達は、この報告に震えあがった。



北の湖‥‥



それは、あの黒い魔女の頭部を沈めた場所だった。




「黒い魔女の呪いだ‥‥」




重鎮の一人が呟いた言葉に、

誰も反論しなかった。