苦いチョコレート

東方神起ミンホ。闇小説(ホラー&暴力系)多し。

狂気と愛の境目19

「犯人が捕まったそうです。」



ある朝、朝食を食べなから、

いきなりチャンミンに、そう言われた。



「え?

ほんとか?」



「はい。」



「全員?

4人全部?」



「はい、そう聞いています。」



「そっか……」



ユノは、安堵のため息をついた。


悔しい……


相手にも、同じ苦しみを味合わせてやりたい……


そういう気持ちは、

変わらないが、


それでも、

これで、一区切りだ。



「裁判とかに、

呼ばれるんだろうか?

証人として……」



ユノは、

チャンミンに聞いた。



「それはありません。

もう、証拠の品は、

提出しましたし、

あれで十分だそうです。」



「証拠の品って?」



「あの時、ユノが履いていたズボンです。

ユノと犯人の体液が付いているので……」



あの時履いていたズボン……


ユノの血や、

後ろからあふれ出た犯人の体液が、ベットリと、

付いていたはずだ。



「警察に…渡したのか?

捨てたのかと、思っていた。」



「はい。

黙っていて、すみませんでした。

でも、あれが決定的な証拠になり、

全員、

終身刑になるそうです。」



ユノは、びっくりした。



「え?

もう、刑は確定したのか?」



「はい。

やはり、他にも、

余罪がたくさんあったそうです。

何件もの婦女暴行事件と、

DNAが一致したと聞きました。」



「そうなんだ……」



ユノは、やはり警察に訴えてよかったと思った。


少なくとも、もうこれ以上、

あいつらのせいで、

自分みたいな被害に合う人を、出さなくて済む。



「ユノ……」



複雑な思いに、黙り込んで思案していたユノに、

チャンミンが声をかけた。



「ん?」



「この件は、

絶対、誰にも他言無用ですよ。

あなが関わっていることも、

秘密厳守で取り扱ってもらってますから……」



チャンミンの目がキツクなった。



「何か気になる事があったら、

必ず、まず、僕に言ってください。」



「解ってるよ。」



「怖い顔すんなよ。」とユノは、うなずいた。