狂気と愛の境目28
「すみません。
気をつけて帰ってくださいね。
僕も、終わり次第、
すぐ、帰ります。」
「うん。
大丈夫だよ。
友達と、
ゆっくりしてこいよ。」
ユノとチャンミンは、
テレビ局の駐車場で、
別れた。
イ・スヒョクの件で、
話をしたかったが、
友達の窮地なら仕方ない。
明日にしよう……
ユノは、
マネージャーの運転する車で、
家に帰った。
家に帰ってシャワーを浴び、
イチゴ牛乳を飲んでいると、
玄関のチャイムが鳴った。
「は~い。」
チャンミンだろうか……
いや、チャンミンにしては、
早すぎる。
それに、チャンミンは、
鍵を持っている。
チャイムは、鳴らさない。
玄関のモニターを見ると、
宅急便だった。
いつもの宅急便の配達員じゃない。
ユノは、ドアを開けた。
「はい。」
「お届け物です。
サインをお願いします。」
「はいはい。」
ユノは、サインをすると、
荷物を受け取った。
「よい夜を……」
宅急便の配達員は、
受領書を受けとると、
ユノにそう言った。
「え?
ああ、あなたも……」
宅急便の配達員は、
軽く会釈すると、
帰って行った。
「洒落たこと言う人だな……」
ユノは、受け取った荷物を見た。
20㎝×30㎝くらいの、
小さな箱だ。
『割れ物』と書いてある。
ユノは、部屋に戻ると、
早速、箱を開けてみた。
箱の中には、
プラスチックの瓶が入っていた。
瓶の中は、透明な液体で満たされている。
液体の中には、
得たいの知れない……
“何か”が入っていた。