苦いチョコレート

東方神起ミンホ。闇小説(ホラー&暴力系)多し。

狂気と愛の境目11

チャンミンは、

毛布にくるまり、丸まってしまったユノの足元に座り、

暫くの間、ユノの足を撫でていた。


そのうち、

毛布の中から、

規則正しい寝息が聞こえてきた。


どうやら、

眠ったらしい。


チャンミンは、ため息をついて、

立ち上がった。



どうしようか……


いくら、拉致され、レイプされたからと言って、

警察に駆け込むわけにはいかない。


男性は、強姦罪ではなく、

暴行罪として処理される。



ユノは、男性だし、

大スターだ。



へたに、警察になど訴えマスコミにでも漏れたら、

大スキャンダルだ。


ユノが被害者でも、

嗅ぎまわられ、

おもしろおかしく掻き立てられるのは、

目にみえてる。



なんとしても、

それだけは、避けたかった。



しかし、ユノのあの顔の腫れや、身体の傷は、

一日二日で治るものでは無い。


精神的ショックもあるだろう。


マネージャーに隠すわけには、いかない。


何より、

ユノをあんな目に合わせた男達を野放しになんかできない。


見つけ出し、

捕らえて、

八つ裂きにしてやりたい。


「もう殺してくれ。」と、

哀願するまで、

拷問してやりたい。



でも、どうやって……?



チャンミンが、

考えを巡らせていたとき、

ユノが、悲鳴をあげて飛び起きた。

狂気と愛の境目10

チャンミンは、

ユノの全身、

特に、後ろを念入りに、

シャワーで流してやった。


バスルームを出ると、

今度は、

柔らかいバスタオルで、

全身をふいてやり、


部屋着を着せ、

髪を乾かした。



ユノは、その間ずっと大人しくしていて、

チャンミンにされるがままだった。



居間に行き、

チャンミンは、ビールを、

ユノは、苺牛乳を飲んだ。



一息つくと、

チャンミンが手に薬箱を持って、戻ってきた。


何かあった時のためにと、

チャンミンがせっせと用意し、ユノの家に置いといたやつだ。



「手当てするから、

シャツ脱いで……」



せっかく着たのにと、

ユノは、一瞬思ったが、


身体のあちこちが、

ヒリヒリするので、

逆らわずに大人しくシャツを脱いだ。



チャンミンは、ユノの傷の一つ一つを丁寧に消毒し、塗り薬を塗っていった。



消毒薬が染みるのか、

ユノは、時おり顔を歪め、ピクリと反応した。



「痛い?」



「うん。」



と、ユノは小さく頷いた。



上半身が終わると、

シャツを着せ、


今度はスウェットのズボンを脱がせた。


真っ白い太ももにも、

紅い噛み跡がある。


レイプした男の中に、

噛み癖のあるヤツが、

いたのだろうか。


チャンミンは、込み上げてくる激しい怒りで、

だんだん、胃の腑のあたりが熱くなってきた。



最後に……



「後ろ向いて……

伏せて」



うつ伏せにさせ、

パンツを下ろした。



ユノの尻の肉を割り開き、

蕾を確認した。


切れているのだろう。


血が滲んで、紅く腫れている。


痛そうだ。


チャンミンは、平静を保とうと、歯をくいしばった。



ユノは、手を握りしめ耐えている。



「切れてる。

薬を塗るから……

暫く、薬が必要だ。」



「解った……」



初めて二人でSEXした頃、

何度か、ユノの後ろが切れてしまい、


その度に、チャンミンが

手当てしてやった。


だから、チャンミンは、

こういう手当てには、慣れていたが、


それでも、怒りのあまり吐き気がしてきた。



「はい。

終わりましたよ。」



手当てが終わると、

ユノは、もう精も根も尽き果てたといった感じだった。



「あり…がと……」




ユノはそのまま、ソファーに横になった。



チャンミンは、側にあった毛布を、かけてやった。



ユノは、無言で、

毛布を頭まで引き上げ、


身体をすっぽりと毛布で覆ってしまった。


毛布は、ユノ仕様の大きい毛布だったので、

ユノの頭の先から足先まで、すっぽりと隠してくれた。



全身を毛布で覆い隠して、

ユノは、やっと、なんとなく落ち着いた。


落ち着いたら、途端に猛烈な眠気が襲ってきた。



ここは、もう、

安全な我が家だ。


側には、チャンミンもいる。


もう、危険は無い。


ユノの足の辺りに、ポン……とチャンミンが手を置いたらしい。


ユノは、チャンミンの手の重みを感じながら、


襲ってきた眠気に逆らわず目を閉じた。

狂気と愛の境目9

それからチャンミンは、

ユノが泣き止むまで、

ずっと抱きしめ、

背中を撫でていた。



ユノが落ち着くと、

バスルームに連れていき、

ユノが着ていた服を、

優しく脱がせた。



チャンミンの手が、

ズボンにかかったとき、

ユノは、少し抵抗したが、



「大丈夫だから……」



と、チャンミンはユノの手を握った。



ズボンは、ユノの後ろから溢れた出た男達の精液で、

汚れていたが、

チャンミンは、それを丁寧に畳むと、

脱衣場の棚の上に置いた。


それから、

浴槽に湯をため、一緒に湯に入った。


チャンミンは、後ろからユノを抱きかかえるようにして、湯に浸かり、


ユノの傷ついた身体を、

洗った。



チャンミンがスホンジで優しく傷口を撫でていくたびに、


ユノは、少しづつ、

傷が癒されていくような気がした。



最後に、

湯に浸かりながら、

チャンミンは、ユノの後ろに手を伸ばした。



「あっ……」



ユノは、ビクリと、

身を強ばらせた。



「大丈夫。

中を洗うだけだから……

力抜いて……」




チャンミンは、

ユノの後ろに指を入れ、

中を洗ってやった。



「痛い?」



ユノが小さく頷いた。



「切れてるのかな。

後でちゃんと見せて。」



ユノが、また小さく頷いた。



チャンミンは、なるべくユノに苦痛を与えないように、優しく中を洗ってやった。



「はい。

終わりましたよ。

あとは、流せば大丈夫です。」



「あ…りがと……」



湯の中に、

ポチャンと

ユノの涙が一粒落ちた。