白磁 1
そのbarは、
質の良いショータイムが、
有名な店だった。
夜毎繰り広げられる、
歌や、
ダンスを目当てに、
たくさんの客が訪れた。
とりわけ、
金曜日と、
土曜日の深夜に開演されるu-knowのショーは、
絶大な人気を誇っていた。
u-knowが出演するショーのチケットは、
何ヵ月先までも、
完売していて、
入手が困難だった。
運良く手に入れられたとしても、
高額なプレミアム価格になっていた。
そんな中、
最近、u-knowのショーを、
最前列で眺めている客がいた。
その客は、
驚くほど魅力的な男だった。
長身で、
イケメンで、
美しい大きな瞳を持っていた。
彼は、いつも一人で来ていた。
入手が難しいチケットの、
それも最前列の中央の席に陣取り、
その大きな美しい瞳で、
じっと……
u-knowだけを、
見つめていた。
「ユノ、あの客……
今日も来てるよ。」
客席を眺めて戻ってきた、
ダンサーの一人が、
ユノに教えた。
「ふうん……」
ユノは、
控え室で化粧をしながら、
興味なさそうに、
応えた。
「よっぽどu-knowのファンなんだね。
今日で何回目?」
「さあな……」
「いいな~
俺もいつか……
あんなイケメンに、
あんな熱い目で、
見られたいな~」
若い男性のダンサーは、
身をくねらせた。
ユノは、鏡越しに、
ダンサーの仕草を見て
笑った。
今日も……
あの瞳で、
見つめられるのか……
あの瞳……
あの眼差し……
思い出しただけで、
ユノは、
股間が熱くなりそうだった。