苦いチョコレート

東方神起ミンホ。闇小説(ホラー&暴力系)多し。

白磁8

二人は、飽きることく抱き合い、


やがて空が白み始めた頃、


互いの身体から、

やっと手を離し、

浅い眠りについた。



次の日は、

一緒に遅い朝食を食べ、


午後からは、


チャンミンが絵付けをするのを、

見学した。



まだ、焼く前の無地の皿に、


チャンミンが絵筆一本で、

美しい紋様を描いていく様を、


ユノは、不思議な気持ちで見ていた。



「魔法みたいた。」



「そうですか?」



さらさらと、

美しい牡丹の花を、

描いていく。


あの手は、

夕べ、

ユノの肌の上をすべり、


ユノを、何度も、

快楽の淵に導いた。



チャンミンの指先を見つめるユノの目は、


次第に、

熱がこもっていった。



「ユノも、

何か書いてみます?」



ユノの視線に照れたように、

チャンミンが手を止めた。



「俺?

俺、絵下手だよ。」



「上手い下手は、

関係ありません。

自分の作品だっていう、

印を書いてみてください。」




「自分の作品……」




直径15㎝くらいの、

皿を渡されたので、


ユノは、そこに、

犬や、兎の絵を書いてみた。



「かわいいですね。」



ユノの絵を見て、

チャンミンが微笑んだ。



「あんま、見んなよ。

恥ずかしいよ。」




最後にユノは、

サイン代わりに、

u-knowと書き入れた。



チャンミンは、

それを見届けると、


絵筆を握っているユノの右手を取った。



「仕事は、

刺青禁止?」



チャンミンは、ユノに聞いた。



「いや。」



「じゃあ……」




チャンミンは、

絵筆にたっぷりと、

絵の具を染み込ませると、


ユノの手首から肘にかけての内側に、


サラサラと、

百合の絵を書いた。



冷たい絵筆が、

肌の上をすべる感触は、


まるで、

チャンミンの愛撫のようで、


ユノは、兆しそうになった。



「できた……」



チャンミンは、筆を置くと、

自らの作品を、

満足そうに眺めた。



「今日は、窯の…寝ずの番をします。」



ふいに、

チャンミンが、

呟いた。



「もう一晩、

あなたを抱きしめて、

眠りたかったけど、

そろそろ、

テミンと代わってやらなくちゃ……」



まわりには、

たくさんの職人がいたが、


チャンミンは、

少し声を潜めただけで、

周りに聞こえても、

平気そうだった。



「そうか……」



「残念です。

夕食と、

明日の朝食は、

ご一緒しましょう。」



明日はユノも、

夜のステージがあるので、

早めに帰らねばならない。




「解った。」



「これは、特殊な染料で書いたので、

風呂に入ってもしばらくは、消えません。」



「へぇ……そうなんだ」



絵の具は、紅く変色しだした。



「これが消える前に、

また、

あなたを抱きたい。」



チャンミンは、

ユノの百合に、

キスをした。



チャンミンの唇は熱く、


周りに何人も人がいるのに、


ユノは、

震えそうになった。