白磁12
部屋を出て、
居間の方に行くと、
ちょうど、
チャンミンが戻ってきたところだった。
「あ、ユノ。
おはようございます。
汗だくなんで、
ちょっと、シャワーしてきますね。」
あれから、
一晩中、
窯の前にいたのだろうか。
チャンミンは、
全身汗びっしょりだった。
チャンミンは、
風呂場の方に駆けて行ったが、
5分もしない間に、
戻ってきた。
「お待たせしました。
腹減った~
飯にしましょう。」
ユノとチャンミンは、
朝食を共にした。
朝食後、
窯の回りを少し見学した。
「窯の火は、
今日中に落とします。」
「そうなんだ。
どんなのが焼き上がっているか、
楽しみだな。」
「ユノが絵付けをした皿も、
出来上がってきますよ。」
二人が話していると、
テミンもやって来たが、
ユノと視線を合わせることは無かった。
ユノは、
その日の午後、
帰ることにした。
夜には、ステージの仕事がある。
帰る前、
建物の影に引っ張りこまれ、
チャンミンに熱烈にキスをされた。
「ん……
チャンミン……」
「また、
あなたと、
抱き合いたい……」
チャンミンは、
何度もユノにキスをした。
頬にも、
目尻にも、
首筋にも、
あちこちに何度もキスをして、
「愛しい人……
ユノ……
好きだ……」
と、囁いた。
チャンミンのキスを、
うっとりと受けていると、
ふ…と、
チャンミンの唇が止まった。
「チャンミン?」
「夕べ……
虫が出ましたか?」
「え?」
チャンミンが、
ユノの首筋を指で押した。
ちょうど、シャツの襟で隠れるか隠れないか、
ギリギリのあたりだ。
「ここ、赤くなってます。
虫に喰われたみたいだ。」
ユノは、首筋を手で押さえた。
「ほんと?
全然、痒くないけど……」
ユノは、とぼけた。
「すみません。
あなたの綺麗な肌に、
虫食いの痕をつけてしまった。
今度、来ていただくまでに、
念入りに虫の駆除を、
しておきますね。」
チャンミンは、
笑った。