苦いチョコレート

東方神起ミンホ。闇小説(ホラー&暴力系)多し。

魔身3

朝食が終わり、

チャンミン王は午前中の執務を行うため、


私室を出て、

謁見の間に向かった。



私室から出る際は、

侍従長を抱き締め、

『ごちそうさま。』と、

キスすることを忘れなかった。



午前中は、北の国からの使者と、

謁見の予定があった。



ユノも王の侍従長として、

謁見の間に、同席した。


王が使者と謁見の最中、


途中、

ユノは、20分ほど席を外したが、


すぐに、戻ってきた。



謁見も含め、

午前中の執務は全て終わり、

昼食となった。



ユノはチャンミン王に、

食後の珈琲を注ぎながら、

話しかけた。



「陛下‥‥

お願いがございます。」



「なんだ?」



チャンミン王は、

珈琲を一口、口に含むと、

顔をあげた。



珈琲は、チャンミン王の好みの、

濃厚なブラックだった。


ユノが心をこめて、

淹れたものだった。



「しばらく‥‥お暇をいただけないでしょうか‥‥」




「何!?

何故だ!?」




チャンミン王は、

珈琲カップを、

乱暴にソーサーに置いた。




「実は‥‥

先ほど、実家より使いがまいりまして‥‥

母の具合があまりよくないとのことでした。」




チャンミン王は、

ユノが謁見の最中に、

席を外したことを、

思い出した。




「母上が?」




「はい‥‥

母も‥‥もう高齢ですし、

手遅れになる前に、

もう一度、会ってきたいと思います。」




「‥‥‥‥‥」




「母の顔を見たら、

すぐに戻ってまいりますゆえ‥‥」




チャンミン王の母親は、

すでに早世していたため、


母に会いたいというユノの気持ちは、嫌というほど理解できた。




「解った‥‥

だが、なるべく早く戻るのたぞ。」




「はい。」




「もし、戻りが遅くなったら、

私が一個連隊を率いて、

迎えに行くぞ。」




ユノは、「あはは‥‥」と、

笑った。




「それは大変です。

故郷の者達が、

何事かと、怯えてしまいます。

承知しました。

すぐに戻ります。」




「いつ、立つ?」




「はい、明日の早朝には‥‥」




「そうか‥‥

では、今夜も私のベッドで休め‥‥

明日、馬に乗れる程度には、

加減してやろう‥‥」




「もう‥‥陛下‥‥」




ユノは、顔を赤らめた。



周りの召し使い達は、

皆、聞こえぬふりをしてくれた。





続く