苦いチョコレート

東方神起ミンホ。闇小説(ホラー&暴力系)多し。

魔身14

動物達の温かい体温のおかげか、

ユノは、ぐっすりと眠ってしまい、


翌朝、

小鹿に頬を舐められ、

起こされた。



「ん‥‥う‥んん‥‥

チャンミン様?」



ユノは、愛しいチャンミン王の頬に触れようとしたが、


手に触れたのは、

小鹿の柔らかな毛皮だった。




「うぁっ‥‥‥」



びっくりして飛び起き、

瞬時に昨日のことを思いだし、

項垂れた。



うつ向き涙ぐんでいるユノの足元に、

小さな林檎がコロコロと転がってきた。



見ると、

兎や鳥やネズミが、

小さな木の実や果物を、

次々と運んできては、

ユノの足元に置いていく。



「俺にくれるのか?

ありがとう。」



昨日から何も口にしていない。


ユノは空腹で、

喉も渇いていた。



ユノは、林檎を一つ手に取るとかじってみた。



一口かじっただけで、甘酸っぱい果汁が、

口いっぱいに広がった。



「美味しいな‥‥」



ユノは林檎を手に、

ため息をついた。



「魔物にされても尚‥‥

腹は減るし、

喉は渇くし、

旨い‥‥と感じるんだな。」



ユノは、泣いた。


泣きながら、

林檎を食べた。



動物達が持ってきてくれた、

果物や木の実を食べて、

空腹や渇きがおさまり、

少し落ち着いた。



「自害するんだっけ‥‥

穴を掘らなきゃ‥‥」




ユノは、

ふらふらと小屋の外に出ると、


小屋にあった道具を使って、

穴を掘った。



動物達は、

穴を掘るユノを、

遠巻きにして、

じっと見ていた。



小屋の回りの地面は、

地盤が固く、

なかなか大きな穴が掘れなかった。



暗くなるまで掘ったが、

まだまだ浅い。



ユノが隠れて見えなくなるほどではない。



陽が沈み、暗くなり、

足元が見えづらくなってきた。




「また明日、続きをやろう‥‥」




ユノは、小屋に入ると、

残っていた木の実や、

果物を食べた。



それから、その晩も、

動物達に囲まれ、

小屋で休んだ。




続く