苦いチョコレート

東方神起ミンホ。闇小説(ホラー&暴力系)多し。

魔身13

ユノは、小屋のドアを開けると、


恐る恐る、

中へと足を踏み入れた。



小屋の中には、

誰もいなかった。


中は真っ暗で、

窓からは月明かりが、

差し込んでいた。



以外に、広い。



奥に暖炉と、

ベッドが置いてある。



昔は、誰かが、住んでいたようだ。



ユノのあとから、

動物達もワラワラと入ってきた。



動物達は、

暖炉の前に集まり横になると、


皆、一斉にユノの方を見た。




「‥‥‥‥‥」



ユノと、動物達は、

しばらく見つめ合った。



「ひょっとして‥‥

来いって言ってる?」



動物達がYESと言っている気がした。



ユノが、動物達のそばに寄ると、


大きな鹿がユノをひっぱり、

ユノを座らせた。



そのまま、

ユノは、動物達に引っ張られるまま、横になった。


横になったユノの回りを、

まるで、守るかのように、

動物達が丸く囲んだ。



動物達の身体は、

暖かかった。




ここ何日かの恐ろしい出来事に、

疲弊していたユノの心に、

動物達の暖かさが染みわたった。



自然と涙が出てきた。



ユノの顔の側にいた子鹿が、

ユノの頬をペロペロと舐めてくれた。



「自害するのは、

明日でもいいかな‥‥」




ユノは、そう呟くと、

胸元にいた兎を抱きしめながら、

目を閉じた。




動物達の暖かさと、

寝息が、

ユノを心地よい眠りにと、

誘ってくれた。





続く