魔身22
王は、魔道師や占い師達に、
魔女の居場所を特定するよう命じた。
魔道師達も占い師達も、
持てる力の総力をあげ、
魔女の居場所をピンポイントで、
探そうとしたが、
全てを事前に察知した魔女が、
妨害を図ったため、
詳しい場所は解らなかった。
特定できたのは、方角だけだった。
それは、ユノがいる場所とは、
真逆の方角だった。
王は、近衛兵の中から、
よりすぐりの精鋭を3人選び、
供として連れて行き、
自ら、魔女の捕獲に向かった。
兵士達も、
王と同じ盾と剣を賜った。
王と兵士は、
深い森の中を、
三日三晩、不眠不休で、
魔女の居場所を探し回り、
四日目‥‥
ついに魔女の寝ぐらを見つけた。
「これはこれは‥‥
麗しのシム・チャンミン王。
この様なむさ苦しい所に、
ようこそおいでなさった。
」
魔女は、真っ黒な唇を歪め、
真っ赤な瞳をすがめながら、
チャンミン王に、
うやうやしくお辞儀をした。
愛しい人に対する所業を思うと、
おぞましい魔女の姿を見ただけで、
チャンミン王は腸が煮えくりかえりそうだった。
だが、相手は今世一番の術師と恐れられた魔女だ。
チャンミン王は、
相手の出方を見るため、
穏便な態度から始めることにした。
「そなたに‥‥
頼みたいことがあって来た。」
続く
ランキングに参加しています。