苦いチョコレート

東方神起ミンホ。闇小説(ホラー&暴力系)多し。

狂気と愛の境目7

少し……気を失っていたのかもしれない。


気がつくと、回りにはもう誰もいなかった。



ユノは全裸で、一人で床の上に放置されていた。



「うっ……」



身体を起こすと、

後ろに激痛が走り、


男達が放ったものが、

ドロドロと溢れてきた。



「くっ…うっ……うっ……」



ユノは、声を殺して泣いた。


誰もいないのだから、

声を殺す必要など無いのだが、

なぜか口を手で抑え、

声を殺して泣いた。



いつまでも、

ここに転がっているわけにはいかない。



ユノはTシャツで、

身体の汚れをザッとぬぐうと、

Gジャンとズボンだけ、

身につけた。


携帯と財布はあったが、

携帯は液晶が割られていたし、

財布は札が抜いてあった。


だが、カードは抜かれずに残っていた。



ユノは、Gジャンのボタンを全部しめ、

痛む身体をかばいながら、

恐る恐る外に出た。



今、何時だろうか……



携帯は電源が入らないから、電話もできない。


マネージャーに助けを求めるため、電話もできなかった。


仕方がないので、

大通りの方に向かって歩いた。



運良く、タクシーが通りかかったので、


タクシーを止め、

家の住所を告げた。


チャンミンと一緒に住んでいる家では無く、


撮影とかに使う一人用の家だ。



タクシー代をカードで払い、

車を降りた。



ヨロヨロと、玄関に向かい、鍵を開け中に入ると、


何故か、廊下とその奥の電気が、パっと着いた。



「ユノ?」



ユノが、今、

一番会いたくない人物が、

そこに、立っていた。