苦いチョコレート

東方神起ミンホ。闇小説(ホラー&暴力系)多し。

魔身5

ユノは、その日の夕刻には実家に付き、

母親と対面した。



ユノの母は、床に伏していたが、

ユノの姿を見ると

涙を流して喜んだ。



幸い母の病状は、

心配したほど悪くはなく、


ユノが来たことにより、

気持ちに張りが出たのか、


目に見えて、回復していった。



「王様からお話をいただいた時‥‥

あなたはもう‥‥王家にお嫁に出したものだと、

思うことにしていたの。

でも、たまには、

こちらにも、顔を出してちょうだい。」



母は泣きながら、

ユノに懇願した。



「はい、母上。」



ユノは、元々は、

王宮に使える武官だった。



だが、怪我をし、

武官として使えることができなくなったため、


上官の紹介で、

文官として、王宮に使えていた。



チャンミン王と知り合い、

恋愛関係になった時、


王は、


『ユノを生涯の伴侶として、

王宮に召し抱えたい。』と、


ユノの実家に挨拶に来た。



ユノは、男性だし、

チョン家の跡取りだったので、


家族は、驚愕した。


最初、王の申し出は、

家族には受け入れがたかったが、


チャンミン王は根気よく説得を続け、


ついには、

ユノの家族の理解を得た。



ただ、ユノは男性だったため、

寵妃などにはならず、


王宮での仕事を続けたいと、


侍従の役職についた。





母に請われるまま、

実家にとどまり、


いつしか、王宮を出てから、

一週間が過ぎていた。



その間、

チャンミン王よりの文を持った使者が、


ユノの実家を、訪れた。




文の内容は、

ユノの母親を心配するものだったが、


要するに、

『寂しいから早く帰ってこい。』

という内容だった。



一週間目の今日、

また、チャンミン王より文が届いた。




『ユノの母親の見舞に来たい。』

と書いてあった。




要するに、

迎えに行くという意味だ。




ユノも、

母も、

ユノの妹のジヘも、


文の内容に笑ってしまった。




「オッパ、ほんとに愛されてるわね。」




ジヘが呆れたように呟いた。




「これ以上、ここに引き留めると、

王様の一行が、

ほんとにいらしてしまいそうね。

お迎えの準備をするのは、

大変だわ。

ユノ、あなた、もう、

帰りなさい。」




母に、ため息まじりに言われてしまった。



ユノは、王宮からの使いの者に、

明日帰るからと返事の文を持たせ、

帰ってもらった。



翌朝、

ユノとディンディンは、

一週間ぶりに、王宮に向けて、

出発した。




続く