苦いチョコレート

東方神起ミンホ。闇小説(ホラー&暴力系)多し。

魔身10

突然、石になってしまった門兵に、

ユノは、驚愕した。



愛馬の手綱を引き、

止まろうとしたが、


ユノの逸る気持ちが愛馬に伝わり勢いが出ていたため、

急には止まれず、


愛馬が完全に足を止めたのは、

門の内側に入ってからだった。




「ユノ様、おかえりなさい!」



「ユノ様、ご無事で何より‥‥」



「ユノ様‥‥あれ!?」



早朝にもかかわらず、

ユノを見つけた城下の人々が、

ユノを出迎えにワラワラと集まってきた。



「よせ!!

来るな!!」




ユノは、絶叫したが、


人々は、馬上のユノの姿を認めると、



次々と石になっていった。



門の内側の広場に、

人々の悲鳴が響いた。



「何事だ!?

うわ!?」



「なんだこの石は!?

あっ!?」




「ユノ様?

いったい!?」



「あんた!?

あんた!?

どうしたの!!?」



騒ぎを聞き付け、

さらに多くの人が集まり始めた。



皆、


事態に呆然としているユノを見ると、


次々と石になっていく。




いつしか、ユノの周りは、

石化した人々で埋め尽くされた。



「なんの騒ぎだ!?」



遠くから、城の衛兵の声が聞こえた。



ユノは、ハッと気を取り直すと、


愛馬の腹を蹴り、

城下の門の外に出た。



城下の門を出ても、


街道を歩いている人々に出くわした。


街道を歩いている人々は、


馬に乗り走り去るユノの後ろ姿を一目を見ただけで、


石になった。



早く早く‥‥



早く、人のいない場所へ行かなくては。



ユノは、人が一人もいないような森の奥深くに向かって、


馬を走らせた。




続く